「一般の皆様へ」
なぜ「予防」が大切なのか?
分かりやすくご説明します。
なぜ「予防」が大切なのか?
分かりやすくご説明します。
皆さん、このようにお考えではないですか?
これは誤った理解です。
一生涯、入れ歯等に頼らず、ご自身の歯で生活することはできますし、虫歯や歯周病にならないための取り組みも存在します。
これが事実です。
「予防によって歯を守れる」ことを示した、ある興味深い統計がありますのでご紹介します。
この統計は国別に、「歯科医院で定期的なメインテナンスを受けている割合」と、「80歳の時に残っている歯の本数」の相関関係を示したグラフになります。
このグラフから分かることは、「定期的に歯のメインテナンスを受けていれば、80歳の時に残っている歯の本数は多い」ということ、そして「日本人は定期的なメインテナンスを受けていないため、80歳になったときには歯が8本しか残っていない」ということです。
日本と欧米のこの違いはどこから来ているのでしょうか?
これまでの日本の歯科治療は「削って詰める」ことが主流であり、最終的には入れ歯になることがほとんど
でしたので、それが普通だと皆さんが理解していることと、もう1つは、歯科医療従事者が患者さんに
「歯を予防することの大切さ」
「虫歯や歯周病を予防できること」
「自分の歯を残すための取り組みが存在する事」を
伝えてこなかったことが大きな原因です。
この現実を変えていかなければなりません。
もう1つ、皆さんにお伝えしたいことがあります。
以下の表は、「残っている歯の本数」と「年間医療費」の相関関係を表したものになります。
皆さんからすると、「残っている歯の本数が多いと、なぜ病気になりにくいの?」と疑問を感じると思います。実はお口の健康と身体の健康には密接な関係があります。
例えば、歯を失う一番の原因は「歯周病」と言われています。
そして、この歯周病は、糖尿病、脳卒中、狭心症、心筋梗塞などの病気との関連性が報告されています。
また、最近では「アルツハイマーと歯周病との関係性」の研究報告も出ています。簡単にご説明すると、歯周病菌がお口のちょっとした傷口から血管に入り込み、内毒素(エンドトキシン)を体内に蓄積させます。
この毒素が脳に入り込むとアミロイドβが生成されるのですが、このアミロイドβがアルツハイマーを進行させる要因となります。
このように、お口の健康が害されると身体の健康も害されます。逆を言うと、お口の健康を維持することで、身体の健康も維持できる可能性が高まるということです。
「予防」というと、虫歯予防・歯周病予防をイメージされると思いますが、実は「予防矯正」も皆さんに知って欲しい考え方になります。
予防矯正とは、歯並びが悪くなる前に、歯並びを悪くする要因を摘み取っていく方法のことです。まだ骨格が成長段階にある、小さいお子さんに対しての対策となります。
歯並びは遺伝的要素で悪くなってしまう事もありますが、多くは「口腔周囲筋(舌・唇・頬の筋肉)」や「悪習癖」が原因で悪くなっていきます。
歯は、たとえ弱い力であっても「継続的に力が加わると」動きます。
そのため、頬杖の癖があったり、舌で前歯を押す癖がある場合は、歯が動き、最終的には歯並びが崩れていきます。
これらの癖が改善されると、自然と歯並びは整ってきますし(ケースによっては装置を併用する必要があります)、これらの癖が生じないよう事前にトレーニングすることで、正しい成長を促した結果として、歯並びが悪くなるのを予防できます(予防矯正)。
歯並びが整うことで、口元がきれいなりますが、実はそれだけではありません。
次のような嬉しい副次的効果も生まれます。
定期検診と定期管理は似て非なるものです。
「定期検診」は問題が起きた時に早期に治療し拡大を防ぐことです。
「定期管理」は問題が起きないように管理・予防していくことです。
どちらが良いと思いますか?
「定期管理」ですよね。問題が起きてからでは遅いのです。
問題が起きないように定期的に管理し、いつまでも健康な状態をキープする「定期管理型の予防歯科」でなければ、あなたの歯を守ることはできません。
お口の健康や身体の健康は、誰しもが求めることです。 しかし、これらを達成させるための「方法」を知る機会、もしくは達成させることができる「医療機関」が「制限」されてしまっているのが現状です。
当会は、皆さんにとって有益な情報を発信するだけでなく、定期管理型予防に対応できる人材を育成し、かつ、定期管理型の歯科医院を全国に増やし、皆さんの「健康」を達成させるために活動しています。
この考えに賛同いただけましたら、まずは身近な方に、そして大切な人に、ここに記載されていることをお伝えいただけると、私たちも嬉しいです。